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売上高は30.8億円、前年比1.6%増
2025年6月期第2四半期(中間期)の売上高は30億7,700万円で、前年同期比1.6%の増収となりました 。
増収の背景には以下の要因があります。
- 主力のクリエイタープラットフォーム(CP)事業が堅調に推移
- ネット広告売上が12.9%増加
- データ・コンテンツ提供売上も9.3%増加
一方で、クリエイターソリューション(CS)事業は大型案件の減少により減収となりました。全体としては、CP事業が全社の成長をけん引しています。
営業利益は3.39億円、前年比24.8%増
営業利益は3億3,900万円で、前年同期比24.8%の増益となりました 。経常利益は3億4,300万円(同25.4%増)、純利益は2億300万円(同37.2%増)と、利益面でも大幅な伸びを記録しています。
増益の要因は以下の通りです。
- 高収益な広告・データ提供事業の拡大
- 販売管理費の抑制によるコスト効率の改善
- 為替影響の軽微化と安定した収益構造
利益率の改善は、収益源の選択と集中が奏功した結果といえるでしょう。
財務体質は安定、純資産は44.1億円に増加
2025年6月期第2四半期末の総資産は62億5,700万円で、前期末比0.2%減となりました 。
主な財務指標の変化:
- 現金および預金:2億3,800万円減少
- 売掛金・契約資産:1億9,800万円増加
- 負債総額:18億4,400万円(同7.9%減)
- 純資産:44億1,300万円(同3.4%増)
自己資本比率は約70%前後と推定され、財務の健全性は高水準を維持しています。
配当は増配予定、1株あたり16円へ
2024年6月期の期末配当は1株あたり14円でしたが、2025年6月期は16円への増配が予定されています 。
株主還元のポイント:
- 配当性向はおおむね30〜40%台
- 配当総額は約7,800万円規模と見込まれる
- 自己株式取得の実施は現時点で未定
利益成長に応じた段階的な還元強化の姿勢が見られ、長期保有株主にとっては安心材料といえるでしょう。
通期見通しと成長戦略
2025年6月期の通期業績予想は以下の通りです :
- 売上高:67億円(前年比9.4%増)
- 営業利益:5億9,000万円(同12.6%増)
- 純利益:3億7,000万円(同126.8%増)
成長戦略の柱:
- CP事業の広告・データ提供領域の拡大
- CS事業の大型案件回復と新規顧客開拓
- メディアコマース事業の収益化とEC連携強化
- M&Aや新規メディア立ち上げによる事業ポートフォリオの拡充
これらの施策により、「メディア×データ×テクノロジー」の融合による収益基盤の強化を目指しています。
まとめ:安定成長と収益性の両立が進む
イードの2025年決算は、以下のような投資家にとっての注目ポイントを含んでいます。
- 売上・利益ともに増加し、収益性が改善
- CP事業が成長をけん引し、CS事業の回復が今後の鍵
- 財務体質は健全で、資本効率も良好
- 増配により株主還元姿勢を強化
- 中期的にはメディアとデータの融合による成長が期待される
今後は、CS事業の回復と新規事業の収益化進捗が、企業価値向上のカギとなるでしょう。